旅の記憶 日本編 水郷日田


 水郷日田、天領日田とよばれる歴史的な町、大分県日田市で行われる川開き観光祭の花火大会は西日本最大級のスケールだ。5月に江戸の栄華を彷彿させるような伝統的な正統派の花火大会を満喫できるのは本当にうれしい。というのは花火はやっぱり夏の風物詩であり、昼間の暑さが和らいだ頃、涼しい川辺でうちわ片手にその音を体で感じ一瞬の美しさを味わう。私はこんな花火の楽しみ方を理想としているからだ。
 川開き観光祭ということで、当日は朝から町中でいろいろなイベントが催される。その合間を縫って、人々は朝から花火見物の場所取りをする。昼過ぎ、川岸の平坦地はガムテープで仕切られた場所とビニールシートで覆われ、遅れてきた人はその合間の小さな空き地を必死で探すことになる。夕暮れが近づいても昼間の暑さは収まらない。やがて近隣の町からも続々と人が集まってきて、川岸の平坦地は足の踏み場もなくなってしまう。
 ホテル前の船着き場から客を乗せた屋形船は川の中程に移動して、宴会の準備も整い今か今かと花火を待つ。川辺に映る屋形船の明かりが花火大会を盛り上げてくれる。これも正統派花火大会の重要なアイテムの一つ。
 西の空に日が沈みあたりに闇が近づく。まだ赤みが残っている空に合図の打ち上げ花火が上がった。いよいよ待ちに待った花火の始まりだ。この花火大会と共に筑後川に夏がやってくる。

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