旅の記憶

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Duane Allman & Berry Oakley  Rose Hill Macon Georgia

ワシントンでアトランタ行きのバスの切符を買うとき、発音をなかなか理解してもらえず苦労した。以前にアトランタの発音は難しいよと教えられていたのだが本当に難しいとは思っていなかった。アトランタで乗り換えたグレイハウンドのバスがメイコンに着いたのは夕方4時ごろだと思う。ディープサウスはじめじめして蒸し暑いが、雨上がりの空が少し明るくなってきた。ローズヒルはたまたまバスディーポの近くにあったので、荷物をモーテルに預けてすぐに向かった。墓地は平らではなくわずかに起伏があってゴルフ場のようだ。30分程墓地の中を捜すと遠くに男女が立たずんでいるのがみえた。昔見た写真の記憶がよみがえってくる。「ハイ」と挨拶をされたので「ハイ」と小さく返した。そこには花と共にバドワイザーがひとつそえてあった。

1981.8   Macon  Georgia  USA. 


Toledo


かつてスペインの首都だったこともあるトレドはタホ川の辺にある。時間が止まってしまったような城壁に囲まれた旧市街はこの展望台から見るのがいちばんいい。夕方ここに到着したとき思わず息をのんだ。そしてすぐそばのホテルに泊まりベランダからずっとこの町を見ていた。ここに住んでいたグレコの絵はまるでこの町のように暗く見える。グレコの一枚の絵の前に老人が椅子を出しグレコの絵を一生懸命模写している。銅像かと思った。



大足の中心街

重慶からバスで6時間でこの町に着く。バスで一緒だったアメリカ人についていって同じ宿に泊めてもらった。まずは宿を確保して安心。大足には巨大な涅槃像があるはずなのだがどこにあるのか全くわからない。雨はしとしと降っているし、道はぬかるんでいるし、食堂はないし。ここに着いて次にしなければならないのは、成都行きのバスの切符を買うことだ。なんとか三日後のバスが買えた。次は食べるところの確保。食堂がどこにもないので他のホテルのレストランに食べに行くことにした。そしていよいよ観光である。目玉はなんと言っても巨大な涅槃像。

突然大声がして人が集まりだした。けんかだ。ちょっとしたことですぐにけんかが始まり、すぐに黒山の人集りとなる。この町はどのようなサイクルで動いているのだろう。町を歩く人みんなが、仕事をしているようにも見えるし、していないようにも見える。活気があるようで全くない。大きな都市では外国人を見ると外貨ねだりの人間が寄ってくるが、ここではそんなこともない。

成都までの8時間のバスは悲惨だった。バスは20年程前の富士急のものをそのまま使っている。窓はガラスがなく道はダート。乗客は人間だけではない。アヒルや鶏までもが乗ってくる。荷物は屋根へ載せ、人はがんがん中へ入ってくる。走りながら運転手は客と喧嘩するし、アヒルはがあがあうるさいし。とにかく無事に成都に着くことだけを祈った。


Bigisland

ハワイ諸島のハワイ島には4000mを超える山が二つもある。雨の多いヒロの街から車でマウナケアとマウナロアの間の道をすすむ。無人の荒野で観光客はこんな所には行かない。マウナケアへ上る道に標識など無い。一般の入山は禁止されているからだ。たぶんこれだろうと思う所を入っていくと建物が見えた。人影もないので一気に上りはじめる。ダートはだんだん勾配がきつくなる。車のエンジン音もおかしくなり、エンジンが吹き上がらない。草が無くなり荒涼とした風景になってきた。振り返ると西日を浴びたマウナロアがそびえる。頂上は世界中の天文台がひしめきあっている天文学の最前線だ。寒い。動悸が激しい。やはり4000mだ。


Neworleans

夕暮れが迫るとフレンチクォーターから音楽が聞こえてくる。生ガキをたっぷりと食べて路面電車に乗って街から出てみると古き南部が見えてくる。タラのテーマが聞こえてきそうな夕暮れの町並み。昔、南部のバンドがこの曲をコンサートのオープニングに使っていたことがあった。車の窓をあけても、湿った空気が入ってくるだけ。でも「これが南部なんだ」と自分なりに満足した。


Nashville

ナッシュビルはダウンタウンだけ見てると小さな田舎町だ。観光客はみなミュージックロウやグランドオープリーへ行ってしまい、ブロードウェイは地元の人たちの憩いの場となっている。ライブハウスでは毎夜コンサートがあるが、やはり盛り上がるのは金曜と土曜の夜だ。地元のスターがかけもちでライブハウスを回り、それをバドワイザー1本でずっと聞いている。そして最後は「スウィートホームアラバマ」の大合唱。
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